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佐用郡佐用町にある、最先端の研究施設、スプリングエイト

私が住む佐用郡佐用町には、世界に誇れる施設があります。それは、スプリングエイト(SPring-8と書かれる事が多く、正式には、高輝度光科学研究センター、と言います)という巨大な研究施設です。車で行く場合、山陽道の播磨ジャンクションから播磨自動車道に入って、終点の播磨新宮ICで降り、そこから一般道で約10分ほどのところにあります。相生駅からバスも出ています。工業団地のようなたたずまいで、コンビニや飲食店がなく、寂しい感じすらします。地図で見ると分かるのですが、敷地面積が広いです(141Ha)。

スプリングエイトは、東京ドーム30個分の広さがあります。また、消費する電力量も凄まじいもので、一年間で一般家庭で約50000軒ほどに相当する量(1.8億kWh)を食いつぶすのです。

航空写真を見ると分かるのですが、白い、ドーナツ状の建物があります。この建物の中には、真空状態が保たれた、ドーナツ状の配管が設置され、その配管の周囲にはおびただしい真空ポンプと巨大な特殊磁石が張り付くように設置され、電子が超高速で回転し続けています。白いドーナツ状の配管から、特殊な作業を行うと、電子から電磁波を取り出すことができます。

電磁波には様々なエネルギーを含んでおり(X線とか、ガンマ線とか・・・)、研究者はこの電磁から必要なエネルギーを有する領域を使って、様々な研究を行っています。SPring-8の名前の由来は、Super Photon ring 8で、高輝度光子(Super Photon)がドーナツ状建物(ring)の中で、そのエネルギーが8GeV(8、GeVはエネルギーの単位の一つ)ある、から取られています。

どのような研究に役立つのか?そして、それらが我々の日常生活にどう活用されているのかについてですが、分かりやすい例は、例えば、1998年に起きた、和歌山毒物カレー事件で、カレーの内容物に毒物であるヒ素が存在していることを照明したのは、ここSPring-8なのです。その他にも、世界に役立つ材料を開発するために、昼夜を問わず活用されています。夏休みの期間には一般公開もされています。